声明:大丸東京店によるイスラエル入植地ワインの取扱中止を歓迎します

声明:大丸東京店によるイスラエル入植地ワインの取扱中止を歓迎します

封鎖の解除と故郷への帰還を求めるガザの人びとの平和的デモに対するイスラエル軍の虐殺が続く中、大丸東京店は、5月9日から15日にかけて開催した「地中海の美食&ワインフェア」において、国際法違反であるイスラエル入植地ワインを中心に取り扱う輸入業者「ナチュラエル」の出店を予定していました。私達の批判に対し、大丸は「入植地ワインを扱うかどうかについては検討中」であると答えていました。そして、イベント直前になって、大丸は「ナチュラエル」の出店を中止しました。

大丸百貨店は、今回の決定を政治的な理由によるものではないとしています。しかし、この間の経緯から、私たちは、大丸百貨店が入植地ビジネスがもつ法的・倫理的問題に関する私達の批判を慎重に検討した上で今回の決定を行ったものと考えます。そして、私たちは、被占領パレスチナ住民および被占領ゴラン高原住民に対するイスラエル民族浄化政策およびアパルトヘイト政策を支援してはならないという観点からこれを歓迎します。

イスラエルワインに対するBDS(ボイコット・資本引揚げ・制裁)運動は、この間、大きく前進しています。カナダでは、昨年7月にオンタリオ州酒類管理局が、イスラエル産と原産地表示されている入植地ワインの販売中止を取扱業者に命じました。また、日本でも、ジェトロ大阪によるイスラエル大使館主催ワインセミナーへの会場提供中止(2016年11月)や、銀座三越による入植地ワイン販売中止(2017年9月)といった運動の成果がありました。今回の大丸の判断の背景には、これらの運動の蓄積があったといえます。

しかしながら、大丸のワインフェアでは、他の輸入業者を通じて、イスラエル領内で生産されたとするイスラエルワインが販売されました。そうしたワインにおいても原材料の一部にパレスチナ西岸地区のブドウが用いられている可能性のあることがイスラエル平和団体によって指摘されています。また、イスラエルは、入植政策や土地収奪、移動制限等を通じてパレスチナ人の産業発展を抑止する政策を取り続けており、パレスチナ被占領地は、イスラエルのための専属市場とされています。パレスチナ人のワイン産業が発展する基盤を奪うことで成長してきたイスラエルワインそのものに倫理上・人権上の問題があることについて私たちは、ワイン販売に関わるすべての輸入業者、小売店および消費者に注意を促したいと思います。

2018年5月20日
パレスチナ連帯!ガザと共に!15日間行動」実行委員会

【参考】
銀座三越、違法イスラエル入植地ワインの店頭販売を中止!
ジェトロ大阪、イスラエル大使館主催ワインセミナーへの会場提供を中止!
要望書:「ワインコンプレックスTOKYO」は国連が警告する違法なイスラエル入植地ビジネスに加担しないでください


《資料:「ナチュラエル」が取り扱っている違法占領地ゴラン高原のワイン企業》

・アサフワイナリー:シリア領ゴラン高原の違法イスラエル入植地キドヴァット・ツヴィにあるワイナリー。
・シャトーゴラン:シリア領ゴラン高原の違法入植地モシャヴ・エリアードにあるワイナリー。
・バゼレ・ハ・ゴランワイナリー:シリア領ゴラン高原の違法入植地キドヴァット・ツヴィにあるワイナリー。
・ビンヤミナワイナリー:シリア領ゴラン高原イスラエル占領地にワイン農園を所有。パレスチナ西岸地区の違法入植地で生産されたブドウも使用。
・タボールワイナリー:シリア領ゴラン高原イスラエル占領地で生産されたブドウを使用。
・ペルター・ワイナリー:シリア領ゴラン高原の違法入植地エイン・ツィヴァンにあるワイナリー。
・マター・ワイナリー:シリア領ゴラン高原の違法入植地エイン・ツィヴァンにあるワイナリー。