大阪・阿倍野でイトーヨーカ堂と東急ハンズに要請アクション!

去る9月29日(土)、大阪の市民団体パレスチナの平和を考える会のメンバーは、「あべのキューズモール」内のイトーヨーカ堂東急ハンズに、違法入植地製品ソーダストリームの販売中止をもとめる要請行動をおこないました。以下、同会メンバーによるアクション報告です。

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イトーヨーカ堂は全国140店舗で、東急ハンズは全国24店舗でソーダストリームを販売しており、それぞれ、イスラエル入植地ビジネスに多大な貢献をしている企業です。

私たちは、店の近くの地下街で、通行人に対して、ソーダストリームパレスチナ人に対する人権侵害に関わっていることを強く訴え、販売中止をもとめる署名集めをしました。学校帰りの高校生など、比較的若い世代の方が関心をもって署名をしてくれたのが印象的でした。

その後、メッセージカードに書いてもらった署名を、東急ハンズとイトーヨーカ堂の店舗にもっていき、店員さんに、趣旨を説明したうえで、カードを渡そうとしました。

東急ハンズの方は、渋々という感じで受け取ってくれたのですが、販売店舗数ダントツ1位のイトーヨーカ堂は、驚いたことに受け取りを断固拒否されました。本社から「絶対に受け取るな」と指示された、ということでした。イトーヨーカ堂は、ソーダストリームと入植地の関係に関する問い合わせのメールに対しても、無視をしているという話も聞いています。

販売不振店舗の閉鎖と大規模リストラの発表をしているイトーヨーカ堂の一店員をあまり困らせるわけにもいかず、また、店内もガラガラでほとんど一般客へのアピール効果も無さそうだったので、ソーダストリーム販売中止の要請があったことは本部に伝える、という確認だけとり、その場は仕方なく撤退しました。後日、集めた署名入りメッセージカードは、まとめて本社宛に郵送しました。

なお、東急ハンズでは、ソーダストリームと同じ販売コーナーで、中国産のソーダスパークルも販売していたのですが、イトーヨーカ堂では、ソーダストリームのみの販売でした。単なる仕入商品の調査不足なのかもしれませんが、他店ではどうなのか、気になります。

ソーダストリーム販売店舗数ランキングの上位2位を占めるイトーヨーカ堂そごう・西武は、いずれもセブン&アイ・ホールディング傘下の小売会社ですが、国内での深刻な経営不振に加え、頼みの中国市場が反日デモで不安定化、という状況の中、世界の平和を脅かすイスラエル入植地産のソーダストリームを売り続けるという判断は一体誰がしているのか、興味深いところです。

ところで、今回の反日デモの「震源」である石原慎太郎都知事は、日本イスラエル親善協会の元会長であり、アパルトヘイト時代の日本・南アフリカ友好議員連盟の元幹事長でした。レイシズムや人権侵害を容認する政治やビジネスは、いずれは必ず、とばっちりを受ける、という歴史の教訓を日本人はそろそろ学ばなければならないのではないでしょうか。

東急ハンズの不思議な対応

キャンペーンのメンバーが東急ハンズランキング4位)に対して出した質問に対する東急ハンズの回答を紹介させていただきます。
意味が通じない形式的回答に対して再質問し続けたところ、4度目の質問をしたところで、プッツリ回答がなくなってしまったそうです。
東急ハンズさん、そこまでして違法入植地製品で儲けたい?


【質問】 2012年8月2日

貴社で扱われている「ソーダストリーム」という商品が、イスラエルの違法入植地で生産されているということを下記サイトで知りました。
http://www.codepinkalert.org/section.php?id=470

このような人道的に問題の大きい商品は早急に販売中止にしていただきたいのですが、貴社の御意見をお聞かせください。


東急ハンズお客様相談室 回答】 2012年8月3日

いつも東急ハンズを御利用いただき有り難うございます。
お尋ねいただきました「ソーダストリームの取り扱いにつきまして」は
国内法に沿って原産国表示がされ、正規輸入手続きを経て輸入された商品として販売をしております。
販売を継続させていただきます。


【再質問】 2012年8月17日

東急ハンズ お客様相談室 様

問合せに対する返信をありがとうございました。

お答えの趣旨としては、ソーダストリームが製造されている場所が、国際法上違法とされている、パレスチナ被占領地の入植地である、という事実については、貴社としては考慮するに値しないと考えておられる、という理解でよろしいでしょうか?

「素材がうりのお店」という貴店のイメージとは少々異なるように感じましたので、遅くなりましたが、再度、確認させていただければ、幸いです。


東急ハンズお客様相談室 回答】 2012年8月24日

ご返答が遅くなりまして、申し訳ありません。
弊社といたしましては、現在のところ ソーダストリームは、Made in Israel の表示に問題のない地域で生産され適正なルートで仕入し、販売しているという認識でございます。何とぞご理解いただけますようお願い申し上げます。


【再々質問】 2012年8月27日

東急ハンズ お客様相談室 様

再度の返信をありがとうございました。
しかし、その返信のなかで、非常にわかりにくい箇所がありましたので、その点についてのみ、あらためて質問させていただきます。
「Made in Israel の表示に問題のない地域」とは具体的にどこのことでしょうか?
そこに、イスラエル入植地が含まれているのかどうか、という非常に重要な点について、貴社の率直な見解をぜひお聞かせください。


東急ハンズお客様相談室 回答】 2012年8月27日

いつも東急ハンズをご利用頂きありがとうございます。
お問い合わせ頂いておりますソーダストリームの件でございますが、弊社としては、国内法に沿って原産国表示がされ、正規輸入手続きを経て輸入された商品として販売をしております。
何とぞご理解いただけますようお願い申し上げます。


【再々々質問】 2012年8月27日

東急ハンズ お客様相談室 様

何度も同じ返信をありがとうございます。しかし、どうも、質問の趣旨を理解していただけていないようで、少々困惑しております。

どこでどう勘違いをされたのか分かりませんが、私は原産国表示についての質問など、一度もしていませんし、正規の輸入手続きを踏んでいるかどうかということについても質問していません。

私がお聞きしたいのは、最初にお伝えしたサイト
http://www.codepinkalert.org/section.php?id=470
では、ソーダストリームの本体装置が生産されているのが、イスラエル入植地であるとされているのですが、それは、この商品が、パレスチナ人に対する人権侵害に深く関わっているということを意味するので、そのことについて、貴社の見解をお伺いしたいということなのです。

環境問題等に積極的に取り組んでおられる東急ハンズさんが、ご自分の扱われている商品がひどい人権侵害に深くかかわっていると知りながら、販売を継続するという判断をとられるとは、にわかには、信じられないので、失礼を承知で何度も質問させていただいています。

あまりにも、これまでの返信が、紋切型でしたので、もしかすると、輸入代理店のシナジートレーディング社から、質問への回答模範例でも与えられているのでは、という疑念も感じています。しかし、ソーダストリームを売り込む立場にある同社が、この製品の具体的な問題について、限られた情報しか、小売店に提供しないことは分かり切ったことです。

私はシナジートレーディングさんにも問合せをしてみたのですが、貴社とは異なり、一切返答なしでした。

東急ハンズとして、すこしでもこの問題を主体的に検討したということがわかる返信をぜひともよろしくお願いいたします。