ソーダストリームの偽装表示問題:誇大広告(その1)

ソーダストリームが「エコ」という大ウソ

偽装表示問題は、ついに高島屋大丸松坂屋百貨店三越伊勢丹にまで広がり、大手百貨店の企業コンプライアンスのあり方が改めて問われている昨今ですが、ここでは、これらの百貨店で販売されているソーダストリームの偽装表示問題について、前回に引き続き指摘しておきたいと思います。

家庭用炭酸水製造器ソーダストリームのホームページには、

一般家庭で5年間に消費される炭酸飲料は、500ml容器に換算して1846本、1年間で369本も消費しています。・・・ソーダストリームをご使用いただくことにより、ペットボトルの消費量を減らし、ゴミを削減することで、温室効果ガス削減の手助けができるのです。

ともっともらしく説明されています。ソーダストリームの宣伝リーフにも同様の説明があります。しかし、果たして本当に、平均的な日本の家庭で、一日1本以上ものペットボトルに相当する炭酸飲料が消費されているのでしょうか?

ソーダストリームが依拠している2008年度の統計を確認すると、炭酸飲料生産量は約300万klとなっています。これを当時の日本の人口1億2800万人で割ると、一人当たり約23リットル、500mlボトルに換算すると46本となります。これに平均世帯人数2.5を掛ければ、115本です。ソーダストリームの宣伝は、3倍も数字を割り増ししていることになります。

さらに、炭酸飲料は、一般家庭だけではなく居酒屋やファミリーレストランなどの飲食店で消費されている点も考慮する必要もあるでしょう。同じ時期の総務庁の調査による日本の家庭での炭酸飲料の年間平均消費額は2958円です。これは、500mlボトル150円に換算すれば、たったの20本に過ぎません。仮にスーパーで1リットルボトルを100円で買ったとしても、500mlボトル換算で、60本に過ぎません。このあたりが、常識的な市民感覚に近い数字であるように思われますが、だとすれば、ソーダストリームは、何と、6〜18倍もの誇大な数字を用いていることになります。

ソーダストリームの宣伝のゴマカシはそれだけにとどまりません。ソーダストリームは、日常的に持ち歩くことはできないので、ソーダストリームを買ったからといって、外出時に自動販売機等で炭酸飲料を買う回数が大幅に減少するとは考えにくいのです。世帯当たり平均一日1本の炭酸飲料消費という根拠に欠いた主張に加え、ソーダストリームを買えば、それまであったペットボトル消費があたかもゼロになるという誇大なイメージ操作は、消費者に対する誠実さを欠くものと言わざるを得ません。

また、ソーダストリーム工場の廃棄物は、西岸地区内に作られたアブーディス・ゴミ処理場に廃棄されていますが、エルサレム市やイスラエル入植地のゴミを一手に引き受けてきたこのゴミ処理場が、周辺のパレスチナ人住民に深刻な公害をもたらしているという問題も看過できません。ソーダストリームが「エコ」という宣伝は大ウソです!

★イベント案内★ なぜ?なに?BDS(ボイコット・投資引上げ・制裁)キャンペーン【京都】

■参考
ソーダストリームの偽装表示問題:産地偽装
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規
ソーダストリーム工場の現実:酷使されるパレスチナ人労働者
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ