もっとも人権問題に鈍感な百貨店は?


12月24日、ガザ地区イスラエル軍空爆によって殺害された3歳の少女ハラ・アブー=スベイハの葬列。亡骸を抱いているのは父親。(Ma'an News Agencyより転載)

12月20日から24日にかけて行われた「ストップ!ソーダストリーム全国一斉クリスマス・アクション★5デイズ」は、占領下パレスチナの人々に思いを寄せる方々の幅広い協力と参加により、成功裡に終えることができました。とはいえ、その間も、パレスチナ人に対する度し難い人権抑圧・アパルトヘイト政策は続いており、イスラエルに対するさらなる国際的な圧力が求められています。追って、各地のアクションの報告をしたいと思います。

ここでは、先月、「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーンに賛同する関西市民有志が送付した要請・質問書に対する各社(阪急阪神百貨店高島屋、大丸松坂屋近鉄百貨店)の対応を紹介したいと思います。質問書では11月23日を回答期限として設定しており、その日の前後に、市民有志が分担して各百貨店の本社に電話をし、質問書を受け取ったのかどうか、どのように対処するつもりなのかについて確認した際のやりとりの内容です。ソーダストリームを販売している百貨店が人権問題や市民の声をいかに軽視しているかが良くわかる対応です。



阪急阪神百貨店
秘書室のAさんに対応していただきました。質問書を受け取ったということは確認できたものの、その後、どのように扱われているのかという点については分からないということでした。そこで、ではその点について、できる範囲で再確認していただけるでしょうかとお願いし、一度電話を切りました。数日後、再度問い合わせたところ、やはり、質問書を受け取ったという以上のことはお答えしかねますということだったので、もう少し状況を把握している責任者の方と話せないかと尋ねたところ、明日であれば、上司がいるかもしれない、ということでした。ところが、翌日電話をしたところ、Aさんは、これまでと態度が打って変わり、これ以上、お話することはありません、上司からもそのように言われていますという一点張りでした。私が、質問書の内容は誰かが読んでくれたのでしょうのかと聞くと、それも分からないということで、まったく埒が明かないので、電話での問い合わせはそこまでにしておきました。

高島屋
相談室のBさんが対応してくれました。「質問書」は受理してるけども、高島屋を代表しての回答としては、「質問書」については見解を差し控えたいということでした。仕方ないので、私の方からは、今後、回答に変更があれば知らせてくださいと伝えておきました。

≪大丸松坂屋
まず最初に対応された方は、手紙は届いているが、まだ返答はできないということでした。2週間ぐらい後に再度、問い合わせたところ、別の担当の方から「一切申し上げることはない」との回答がありました。

近鉄百貨店≫
電話をしたところ、いきなり「確かに手紙は受け取り、内容も読みました。しかしこの件について、弊社のほうから何もお答えするつもりはありません。よって電話も切らせてもらいます」という対応でした。「読まれたということは、国際法違反の製品であることを理解されたと受け取って良いのでしょうか?」と尋ねると、「それも含めてお答えすることはできません。そのような受け取り方をされるから、何も答えないのです!」という返答をいただきました。そこで、「答えるつもりはない、というような態度で御社の社会的責任はまっとうされるとお考えでしょうか? 食品の偽装表示が問題にされていますが、御社も関係なくないですよね?」と、あらためて尋ねると、「もう切らせていただきます。」「不誠実な対応ではありませんか? 違法な商品を扱っているのを知って何の見解も示さないのは、消費者を欺くことではないですか?」「何を言ってもそのような方向に持っていかれるからお答えしないのです。本当に切らせていただきます。」「問題が解決したわけではないので、またこちらからかけさせてもらいます」、というようなやりとりをさせていただきました。


【参考記事】
偽装表示事件後もソーダストリームを販売し続ける百貨店への要請と質問
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ

※以下、動画を含む記事
パレスチナからのメッセージ:ソーダストリームを買わないで下さい。
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地(その2)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(その3)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(エドワード・サイード編)