「『ストップ!ソーダストリーム 7・8アクション』〜売らないで、買わないで、違法イスラエル製品〜」活動報告

2012年7月8日、関西在住の市民やパレスチナの平和を考える会のメンバー約20名が集結し、違法入植地で生産されている「ソーダストリーム」を販売している店舗に対し、それらの違法製品の販売中止を求める抗議行動が取り組まれました。

今年3月、当会はソーダストリームの日本総輸入元である?シナジートレーディング社に対して、ソーダストリームパレスチナ被占領地にある違法な入植地工場で生産されていること、その工場内では廉価な労働力として雇用されたパレスチナ人たちが搾取され、無権利状態での労働を余儀なくされていること、また当製品に表示されている「Made in Israel」という表示は、生産地偽装表示の問題があること等、ソーダストリームジュネーブ第4条約等の国際人道法や国際人権法に違反し、また日本の国内法においても、違法かつ不正な製品であることを指摘し、発売中止を求めるための質問状を送付しました。しかし、それから数ヶ月を経ても、シナジートレーディング社は何の返答も寄こすことなく、また当会からの数度の電話での問い合わせに対しても一切対応を拒否するという、不誠実かつ不遜な態度を示し続けるだけでした。そしてその間も、その違法性は隠蔽されたままソーダストリームは話題商品としてメディアなどで注目され、ソーダストリーム並びにその関連製品の取り扱い店舗や販売台数は、驚くべき規模と速度で拡大し続けてきました。

今回の直接行動は、このようなイスラエル入植地製品の拡大を早急に停止させ、また情報が公開されていないことから、良識ある一般の市民や消費者が誤って違法製品を購入することを防ぐため、街頭に出て町行く人びとに広くアピールし、また取り扱い店舗を訪問して責任者に事情を説明した上で、販売中止を求める申し入れ書を受け取ってもらうことを目的として行なわれました。

関西だけを見てもソーダストリームの取り扱い店舗は、大手百貨店やデパート、東急ハンズやロフトなどの大手雑貨店、また都会にあるオシャレなインテリアショップから小売店まで約20〜30件に及びます。当会のメンバーで協議した結果、今回はその中から、関西を代表する百貨店の「顔」と言っても過言ではない阪神百貨店に申し入れ書を渡しに行くことに決めました。

当日は、参加者ほぼ全員で当会が新たに作成した「ぼいこっといすらえる」とプリントされた緑のTシャツを着用し、また当会メンバーの3人が色鮮やかな衣装を纏いアラブ人女性に扮するなど、街頭や店舗の中で注目を集めるパフォーマンスを行ないました。また、「ソーダストリームは入植地産!違法な製品です」「ソーダストリーム買わない」「BOYCOTT ISRAEL」などの、ソーダストリームや違法入植地製品のボイコットを呼びかけるメッセージが書かれたプラカードを持ち、阪神百貨店6階にあるソーダストリームの販売フロアへと臨みました。

当会が事前に調査、確認したところ、ほとんどのソーダストリームの取り扱い店舗では、ソーダストリームはキッチン用品売り場で最も注目をされる場所に配置されてあり、使用方法や商品の説明をするための専門の販売員も配属されている店舗も少なくありません。阪神百貨店においても同様で、6階のキッチン用品売り場の一角がソーダストリームの販売場所として確保され、当日は専門の販売員による実演販売が行われていました。そこへ、私たち参加者が近づいていくと、販売員は当惑するよりも先に頑なな態度を示し、また直ちに阪神百貨店側の職員や警備員も数名現れ、私たちが違法な製品であるソーダストリームの説明をしようとしても「営業妨害だ!」と対決姿勢を取るばかりで、私たちの言葉に全く耳を傾けようとしませんでした。私たちとしても、阪神百貨店で騒動を起す目的で行動しに来たのでは無いため、販売責任者にソーダストリームを取り扱うことの問題点を説明し、申し入れ書を受け取ってもらえる場を設けてもらうという合意の下、ひとまずフロアを離れることにしました。その間、一体何を騒いでいるのか?と、私たちのやりとりを不思議そうに見ていた買い物客に対しては、私たちが用意していたソーダストリームが違法な製品であることを説明したポストカードを手渡し、好意的な反応をいただくことができました。

ただ残念かつ憤りすら覚えることに、その後の阪神百貨店側の対応は、販売責任者では無い職員を派遣し、私たちの説明をひと通り聞いたものの、再三の要望にも関わらず申し入れ書を受け取ることを拒否し続けたのでした。?阪急阪神百貨店の企業理念には「商品やサービスについて、正しく表示し、適切な説明をします」「社会の規範や法令、就業規則などの会社ルールを正しく理解し守ります」等が盛り込まれてありますが、違法入植地製品のソーダストリームの販売は、このような理念を自ら裏切るものであると言わざるを得ません。この日、阪神百貨店には申し入れ書の受け取りを拒否されましたが、担当者との長時間の交渉(左写真)の後、郵送による申し入れならば会社側も目を通すという約束を取り付け、翌日改めて?阪急阪神百貨店の社長宛に郵送しました。しかし、8月26日現在、会社側からは何らの回答も連絡も無いままです。

2010年無印良品イスラエル出店計画中止、2011年の違法入植地産化粧品AHAVAの日本撤退と、日本における対イスラエルBDSは二年連続で勝利を収めています。今後も、ソーダストリームの日本撤退を目標に、まずは各店舗での販売中止を求めたり、また消費者にソーダストリームを購入しないよう呼びかけるなど、地道かつ効果的な方法で対イスラエルBDSに取り組んでいきたいと思います。