とどまることを知らないイスラエルの入植政策と家屋破壊

イスラエルは、先月も、西岸地区における878戸の入植地住宅建設計画を承認し、また、約1200戸(東エルサレム:793戸、西岸地区:394戸)の住宅建設の入札に係る承認を行いました(参考:外務報道官談話)。

他方、ソーダストリームの工場があるマアレ・アドミーム入植地周辺や、日本政府が「回廊構想」を掲げ、鳴り物入りで開発援助を進めるとしていたヨルダン渓谷地域では、パレスチナ人の家屋に対する破壊が一段と激しさを増しています。ソーダストリームの新たな工場が作られる予定のネゲヴ砂漠でも、やはりパレスチナベドウィンに対する執拗な家屋破壊が続いています。

今月16日には、ヨルダン渓谷地域キルベト・マクール村のベドウィンに対して大規模な家屋破壊が行われ、生後2日の乳児を含む50家族82人の暮す集落全体がイスラエル軍によって破壊されました。

家を破壊されてもなお、先祖代々暮らしてきた土地から退去することを拒否し、野営を続ける人々に対し、18日、国際赤十字がテントを届けたところ、イスラエル軍は、ただちにそのテントを破壊・没収してしまいました。


 国際赤十字の支援テントを没収するイスラエル軍(2013年9月18日)

さらに20日、ヨーロッパの外交団(フランス、イギリス、スペイン、オーストリアEU)が、改めてテントなどを届けるため救援隊とともに現地に到着したところ、再びイスラエル軍は、支援物資を積んだ車ごと押収し、さらに外交官を引きずり倒すなどの乱暴に及びました。


 フランス外交官らに暴行するイスラエル軍(2013年9月20日

この事件に対し、国連人道問題調整局(OCHA)やEUが抗議の声明を出すなど、イスラエルの常軌を逸した暴力に国際的な批判が改めて集まっています(参考:OCHAのプレスリリースEUの声明)。

以上、この記事の執筆に際しては、「JSRメルマガ パレスチナ最新情報 13・09・22」を参考にさせていただきました。

なお、ヨルダン渓谷の状況については、「ヨルダン渓谷連帯委員会」日本語サイトをご参照ください。


■参考
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ