ソーダストリーム工場が加担するパレスチナ人ベドウィン追放計画


イスラエル軍によって破壊されたアル=ジャハリン集落(Photo EAPPI/J. Byrne)

2月17日、ソーダストリーム工場があるマアレ・アドミーム入植地のすぐ近くで暮らすベドウィンの集落がイスラエル軍によって破壊され、55人が家を失いました。破壊されたのは、アル=ジャハリン家の人々が暮らしていた家屋と、彼らの数少ない収入源を提供していたグリーンハウスや洗車場など計5軒の建造物でした。

アル=ジャハリンの人々はもともとネゲブ地方で遊牧生活をしていましたが、イスラエル建国後間もなく、イスラエル軍によって追放され、エルサレム近郊に移住、さらに90年代、マアレ・アドミーム入植地の拡大に伴い、再度の強制移住を強いられました。今回の追放は、E1計画と呼ばれる、東エルサレムとマアレ・アドミームとを連結させるための入植地拡大計画に連動する動きだと考えられます。

現在、アル=ジャハリンの人々を含む、マアレ・アドミーム入植地周辺に暮らす約2300人のベドウィンがE1計画に伴う強制追放の対象とされています。もともと追放先は巨大廃棄物処理場のすぐ近くに予定されていたのですが、批判の高まりを受け、現在、ヨルダン渓谷に予定地が変更されています。しかし、現在ヨルダン渓谷に暮すベドウィンもまた過酷な家屋破壊・強制移住政策の対象とされているのであって、強制移住が問題の「解決」をもたらさないことは明白です。

西岸地区のベドウィン集落の多くは、C地区(オスロ合意でイスラエルによる直接支配の継続が認められた地域)に位置しているため、イスラエルが進めるC地区の「ユダヤ化」政策による暴力を真正面から受けているのです。しかしながら、ベドウィンの人々が持つ自らの伝統的生活スタイルに対する愛着と誇りは、イスラエルによるエスニック・クレンジングに対する抵抗の拠り所となっています。

なお、アル=ジャハリンの人々は、ソーダストリーム社の「ブランド大使」となったハリウッド女優スカーレット・ヨハンソンに対し、同社との関係断絶を要請する声明も発表しています。ソーダストリーム社は、マアレ・アドミーム入植地に税金を納めることで、同入植地の存続・拡大に貢献するとともに、同入植地内の工業団地を「民族共生の聖域」だとうそぶき、パレスチナ人からの土地収奪の正当化に加担しています。


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