毎日新聞がイスラエル・ボイコット運動を紹介!

2月22日付の毎日新聞に、ヨーロッパで影響力を広げつつあるイスラエル・ボイコット(BDS)運動を紹介する記事が掲載されました。ソーダストリームについても、商品名は出ませんでしたが、「入植地に生産拠点を持つイスラエル炭酸水製造器」として言及されています。とりわけ、ハリウッド女優スカーレット・ヨハンソンが「オックスファム親善大使」辞任に追い込まれる原因ともなったコマーシャルが写真入りで紹介されたことは、高まる批判にも関わらず、日本国内で同製品を販売し続ける輸入代理店シナジートレーディングや大手小売企業にとって、販売中止に向けた圧力として働き得ると考えられます。




毎日新聞イスラエル・ボイコット運動に関するオンライン記事(6月22日)の一部

イスラエル批判に二の足を踏みがちなメジャーな新聞がBDS運動を取り上げるのは、基本的には歓迎すべきことでしょう。他社に先駆けてボイコット運動を紹介したという点では画期的なこの記事ですが、ボイコットを「現代版反ユダヤ主義」だとするイスラエル側の歪曲された主張を何の批評もなく紹介している点については、重大な問題があります。パレスチナ問題について一定の知識がなければ、それが自国の政策に対する批判をすべて「反ユダヤ主義」と言いくるめるイスラエル政府の常套手段であるということに多くの読者は気付けないからです。

また、記事には「国連などはユダヤ人入植活動を国際法違反としており」という表現もあり、まるで、毎日新聞社自身は、ユダヤ人入植活動を国際法ジュネーブ第四条約)違反とは考えていないかのように読めてしまいます。ちなみに、日本政府やアメリカ政府でさえ、占領地における入植活動を国際法違反であると認識しています。ここで指摘した問題は毎日新聞のスタンスというよりも、記者自身の「自主規制」によるものかもしれません。もう一歩踏み込んでジャーナリズムの批判精神を示してほしいと思ってしまうのは無いものねだりというものなのでしょうか?

【関連記事】
イスラエル:拒否、欧州企業に拡大 パレスチナ入植理由に ネタニヤフ首相「現代版、反ユダヤ主義」毎日新聞 2014年02月22日)

【参考記事】
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規

【お薦め動画】
パレスチナからのメッセージ:ソーダストリームを買わないで下さい。
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地(その2)
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