アメリカ長老教会が占領加担企業からの資本引揚げを決議


アメリカ長老教会の年次総会における占領加担企業からの資本引揚げの決定を喜ぶ人々

6月20日アメリカのデトロイトで行われたアメリカ長老教会(Presbyterian Church (U.S.A.)、教会員190万人)の第221回年次総会で、占領に加担するアメリカ企業からの資本引揚げが僅差で決定されました。具体的な対象企業としては、キャタピラー社、モトローラ社、ヒューレット・パッカード社の3社が挙げられており、それぞれ、パレスチナ人の家屋破壊に用いる特殊ブルドーザー、イスラエル入植地や隔離壁に設置する監視装置、西岸地区の検問所における生体認証システムなどをイスラエル軍に納入することで、イスラエル戦争犯罪に協力し、巨額の利益を得ています。教会はこれらの企業に投資していた2100万ドルの資金を引き揚げることになります。

今回の決議に際しては、1700名を超すシオニストユダヤ教ラビが連名で「パレスチナイスラエル双方が紛争の責任を負っているにもかかわらず、一方だけを非難している」とする公開書簡を発表するなど、決議阻止に向けて全米のイスラエル・ロビー組織が総力をあげて動きました。その一方、「平和のためのユダヤ人の声」をはじめとしたユダヤ人の平和組織も、1週間にわたる会期中、会場に張り付くかたちで、占領政策を変えさせるためには資本引揚げを通じた外部の圧力が不可欠であることを訴え続けました。結果として、310対303の僅差で決議は可決されました。

2012年のアメリカ長老教会の総会で同様の決議が行われたときには333対331で否決されていたのですが、今回はその雪辱を果たしたことになります。これまでアメリカでは、メノナイトやクエーカーの組織、合同メソジスト教会が占領加担企業からの資本引揚げを決定してきました。長い伝統をもつアメリカ長老教会による今回の決定はBDS運動の歴史の中でも最も重要な組織的決定の一つとなります。


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