BDS運動が前進:ソーダストリーム社、表参道での「ソーダ専門店」出店を断念!


ヨドバシ梅田前での抗議行動(2014年7月27日)

パレスチナ西岸地区の違法イスラエル入植地内にある工場で家庭用炭酸水製造機「ソーダストリーム」を生産・販売しているソーダストリーム社の日本法人ソーダ・ストリーム株式会社(代表取締役笈川義徳、大木善弘;以下、ソーダストリーム社)は、7月28日、表参道で8月1日から17日にかけて期間限定でオープンする予定であった「ソーダストリーム in BC426」の出店中止を決定したことを一部メディアに伝えました。同社は6月19日にソーダ専門店出店についての記者発表を行って以来、中止発表直前までインターネットを中心に幅広く宣伝を行っていました。7月29日19時現在も、同社は、フェイスブック・ページなどで計画中止の情報を掲載せず、出店の案内を掲載したまま放置しています。CSR(企業の社会的責任)に疎いのは企業体質なのでしょうか(※30日になってようやく掲載しました)。

東京新聞の記事(7月29日付)によると、ソーダストリーム社は、ボイコット運動と出店中止は関係ないとしているようです。しかし、「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーンは、「ソーダストリーム in BC426」に店舗スペースを貸すこととなっていた「ベーカリーカフェ426表参道」(隅田商事株式会社)に要請書(7月17日付)を送付し、店舗をソーダストリーム社に貸すことはパレスチナ人に対する虐殺に協力することになると伝えていました。そして、7月21日に同社に電話で確認したところ、「ソーダストリーム社とは正式の契約をまだ結んでいない。白紙撤回になる可能性もある」という回答を得、さらに23日には「店舗を貸さないことに経営トップで決定した」との確認を得ました。

大々的な宣伝を開始した後にこのような行き違いが起きた理由は、パレスチナイスラエル軍が行っている民族浄化政策にソーダストリームが深く関わっているということが「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーン等を通じて広く市民社会に知られるようになり、そのことに隅田商事が留意せざるを得なくなったということだと考えられます。ソーダストリーム社が出店中止を発表した7月28日の前日には、ソーダストリームを販売するヨドバシカメラ(大阪)の店舗前でガザ虐殺停止とソーダストリーム販売中止を呼びかける抗議行動が行われました。こうした市民の動きやSNS上での言論状況が今回の決定に大きな影響を与えたことは間違いありません。

今回の「ソーダ専門店」出店中止は、イスラエルの入植政策に加担するソーダストリーム販売中止に向けた重要な前進であると考えられます。過去66年以上休むことなく続けられてきた先住パレスチナ人に対するイスラエルの広範な民族浄化政策(虐殺・封鎖・土地収奪・家屋破壊・行政拘禁等々)の中心に入植政策があります。占領に加担する企業・商品に対するBDS(ボイコット・資本引揚げ・経済制裁)運動が、イスラエルの虐殺行為を止めるために強く求められています。7月1日には、持続的な抗議運動が取り組まれてきたイギリスのソーダストリーム専門店「エコストリーム」が閉店することになりました。そして国連やEUの中でも入植地製品の禁輸措置に向けた議論が始まっています。私達は、パレスチナに於ける公正な平和の実現のため、ソーダストリームを取り扱う百貨店・家電量販店・インターネットショップに即時販売中止を求めると同時に、日本政府に対し、イスラエル入植地製品の輸入や武器貿易を含めた占領加担ビジネスの禁止措置に一日も早く着手するよう要請します。そして、一人でも多くの市民にソーダストリーム販売中止の声を挙げていただくようお願いします。

2014年7月29日
「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーン



【参考記事】
イスラエル本社の炭酸水専門店 「ガザ攻撃で集客困難」渋谷の出店中止東京新聞、2014年7月29日)
イスラエルのソーダ専門店:渋谷出店を中止 ガザ情勢悪化毎日新聞、2014年7月30日)
ソーダ専門店「SodaStream in BC426」は開店中止?(2014年7月24日)
日本初のソーダ専門店「ソーダストリーム in BC426」、表参道に期間限定オープン
イギリスのソーダストリーム・ボイコット運動が大勝利!(2014年7月4日)
欧州で入植地ビジネス規制に向けた動きが急進展(2014年7月1日)
入植者失踪を口実にエスカレートするパレスチナ人弾圧(2014年6月24日)

【参考記事】
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規

【お薦め動画】
パレスチナからのメッセージ:ソーダストリームを買わないで下さい。
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地
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