EUが対イスラエル経済制裁を検討

ガザに自由を! パレスチナに公正な平和を!
イスラエル・ボイコット≫マラソンデモ
(2014年11月12日〜12月24日)
http://palestine-forum.org/event/201411-bds.html


イスラエル入植地建設のために破壊されるパレスチナ人の家屋


11月16日、イスラエルのハアレツ紙は、EUイスラエルに対する経済制裁を検討中であると報じました。記事によると、EUイスラエルの入植地建設により、パレスチナ問題の二国家解決が不可能になりつつある現状について危機感を高めており、現在、制裁の内容や、開始する条件となる「レッドライン」について協議しているとのことです。
Israel may face EU sanctions for hampering 2-state solution (RT, Nov 16, 2014)

こうした動きの背景には、8月のガザ停戦後、西岸で再開された入植地建設の動きがあります。イスラエルは、10月末に東エルサレム近郊に1060戸、11月12日にはエルサレム北方に200戸の入植地住宅を建設する計画を発表しています。また、11月5日には、イスラエル経済産業労働大臣で、極右政党「ユダヤの家」の党首ナフタリ・ベネットが、ニューヨークタイムズに、西岸の6割を占めるC地区(オスロ合意でイスラエルの「暫定占領」が認められている地区)を併合すべきとの主張を投稿したことが注目されています。イスラーム国の台頭など、「中東の新しい現実」において二国家解決は不可能であると、次期首相候補とも目されるベネットは断言しています。
For Israel, Two-State Is No Solution (New York Times, Nov 5, 2014)

イスラエルの最大貿易相手国であるEUはこれまでにも、入植地に関わる機関・企業への助成金等の供与を禁止するガイドラインを公表する(2013年7月)など、イスラエル国際法違反行為に対し、毅然とした対応をするようになりつつあります。他方、日本政府は、外務報道官による談話等で繰り返し(過去4年間に25回)、入植地拡大を批判しているものの、言葉だけで実態が全く伴っていません。それどころか、とりわけ安倍政権になってから、イスラエルとの経済・軍事協力を急速に推し進めています。この11月18日には、「第1回 日イスラエル・サイバー協議」なるものが開催され、両国から幅広い政府関係者が参加しています。
EU、イスラエル入植地への圧力を強化 ― 経済制裁への第一歩(「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーン、2013年7月19日)
第1回 日イスラエル・サイバー協議の開催(外務省、2014年11月18日)

この動きの背景には、ヨーロッパ市場の逆風の中、オリンピックを控えた日本のセキュリティ市場を虎視眈々と狙っているイスラエル企業の存在を無視することはできません。イスラエルのサイバーセキュリティ技術は、違法なパレスチナ占領政策のなかで開発・実用化されてきたものです。現在の動きに歯止めをかけなければ、イスラエルのセキュリティ産業やそれと深く結びついたアメリカの軍需産業は、日本・イスラエル両国の排外主義イデオロギーの波に乗り、今後ますます日本に進出し、日本社会の監視社会化・秘密社会化を加速することになるでしょう。パレスチナ人たちの土地とアイデンティティを賭けた抵抗運動は、私たち自身の社会の自由や人権・公正とも深くかかわっているのです。日本政府も、内向きのナショナリズムや大企業の利権に捉われることなく、国際社会が向かうべき方向性をしっかりと見定め、入植地製品の禁輸を含めた対イスラエル経済制裁を具体的に検討すべきでしょう。


【参考記事】
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ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ
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パレスチナからのメッセージ:ソーダストリームを買わないで下さい。
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地(その2)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(その3)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(エドワード・サイード編)