南アフリカ与党ANCがBDSキャンペーンへの全面的支持を確認

12月20日南アフリカ与党ANCは、対イスラエルBDS(ボイコット・資本引揚げ・制裁)キャンペーンへの全面的支持を表明したANC国際連帯会議の決議を再確認する歴史的決定を行いました。ANC議長のベレカ・ムベテ氏は、連帯会議での決議に際し、彼女自身がパレスチナを訪ねたことがあることに言及し、「イスラエルの体制は、アパルトヘイト時代の南アフリカに比べ、はるかに酷いものだ」と述べています。翻って、違法入植地製品ソーダストリーム全国500店舗で販売されている日本の現状は、この国の人権感覚・歴史感覚を如実に反映したものといえるでしょう。Think Global! Boycott Sodastream!



南アフリカの首都ヨハネスブルグの落書き


2012年12月 BDS南アフリカによるプレスリリース
(原文:Full BDS South Africa Press release

南アフリカ政権政党アフリカ民族会議」(ANC)が
イスラエルに対するボイコットに関する決議を再確認


南アフリカ政権政党である「アフリカ民族会議」(ANC)は、第53回全国会議でパレスチナ人によるイスラエルに対するBDS(ボイコット・資本の引き上げ・制裁)キャンペーンを支持する決議を再確認しました。

2012年10月、ANCの「国際連帯会議」(ISC)は、イスラエルに対するボイコット・資本の引き上げ・制裁を完全に支持することを宣言しました(ISC宣言、2頁、第10事項)。

本日、リンディウィ・ズル(ANCの国際関係小委員会のメンバー、かつジェイコブ・ズマ大統領の特別アドバイザー)は、ANCの第53回全国会議の本会議の場において、決議39(b)のなかで示されているように、ANCが10月に開催したISCとそこで採択されたBDSに関する決議を含むすべての決議をANC自身が正式に支持することを宣言しました。また、決議39(b)を力づけるために、ANCはこれらのISC決議を履行するための運営委員会を設立すると約束しました。

さらには、ANCは「すべての南アフリカ人がパレスチナの人々が公正な解決を得ることができるようにするために、イスラエルに対してプレッシャーをかけることを求めているパレスチナ市民社会によるプログラムとキャンペーンを支持することを特別に呼びかける決議35(g)を採択しました。2005年にパレスチナ市民社会イスラエル国際法違反をやめ、パレスチナ人の人権を尊重し、公正な平和のための公平な交渉に従事するようにプレッシャーをかけるための一つの手段として、イスラエルに対して適用されるBDSのためのプログラムとキャンペーンを国際社会に対して呼びかけました。

「BDS南アフリカ」のムブイセニ・ヌドロジは本日の決断を次のように歓迎します。「ANCの最高決定機関の全国会議によってなされたこの再確認は、イスラエルに対するBDSのなかでも群を抜いて最も権威のある支持となるでしょう。ANCは今、国際連帯会議の決議を採択し、正式にANCの政策とすることにしました。私たちはこれらの決議の履行を促進するために、ANC、特にISC運営委員会とともに活動をすることを楽しみにしています」と。

ANCによって採択されたイスラエルに対するもう一つの強力な決断は、「ANCはイスラエル国家を後ろ盾に行われている最近のアフリカ人に対するゼノフォビア(外国人嫌い)に基づく攻撃と国外追放を大変不快に感じており、このことがアフリカ連合(の議論)にまで拡大されることを求める」ことを示した決議35(j)にあります。今年の6月に行われたイスラエルのアフリカ人に対する抗議行動は本格的な人種暴動にまで発展しました。イスラエルレイシズムとアフリカ人に対するゼノフォビアは、首相であるベンヤミン・ネタニヤフを含むイスラエルの政治家によって共有されているのみならず、奨励さえされています。ネタニヤフは次のように言っています。「我々がアフリカ人の移民の入国を止めなければ、現在6万人を数えるこの問題は、60万人にまで増えることになり、我々の存在を脅かし、・・・社会のなかの社会組織に脅威を与えることになる」と。イスラエルの内務大臣であるエリ・イシャイはアフリカ人の移民は「この国家は白人である我々に属するものではないと考えている」と述べています。そして、イスラエルの国会議員であるミリ・レゲブは公然とスーダンの人々を「癌」と比較したのです。

最後になりますが、イスラエル・ロビーに打撃を加えるために、ANCは次のように述べている決議35(c)を採択しました。「ANCは民族自決のための闘いをしているパレスチナの人々に対する支持を明確に示すととともに、パレスチナ人がイスラエルとの紛争において被害者であり、被抑圧者であるという見解に弁明をすることはしない」と。ANCの全国会議に対するアピールとして、南アフリカユダヤ人議員評議会(South African Jewish Board of Deputies)を含むイスラエル・ロビーは、イスラエルパレスチナの問題においてANCが断固とした態度や連帯を示すのではなく、「バランスがとれた」、かつ「客観的」な役割を果たすよう求めました。

BDS南アフリカ ムブイセニ・ヌドロジ


■参考記事
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