ソーダストリーム社、業績悪化で株価が乱降下


10月7日、違法イスラエル入植地製品を販売するソーダストリーム社は第3四半期の売上げが当初の予想を大きく下回ると予測されることを発表しました。同社の株価は、同日中に20%も乱高下し、4年前のナスダック上場以来の最低価格である21ドル代に落ち込みました。1年前の66ドルと比べ、3分の1に目減りしたことになります。

発表された予備調査結果では、売上げが約1億2500万ドル、営業利益が約850万ドルとされ、これは昨年同期の売上げ1億4400万ドル、営業利益1800万ドルを大きく下回っており、ソーダストリームがすでにブームを過ぎていることを強く示唆しています。また、第3四半期(7月〜9月)は、イスラエルによるガザ虐殺が行われた時期であり、世界中で行われてきたボイコット運動も今回の業績悪化に大きな影響を与えたものと考えられます。イスラエルの虐殺作戦がエスカレートする中、8月に表参道で期間限定オープンする予定だった「ソーダ専門店」が出店中止に追い込まれたこともこの業績悪化に一役買っていることは間違いありません。

軍事占領から利益を得る入植地ビジネスへの批判が拡がるなか、ソーダストリーム社はパレスチナ西岸地区内のイスラエル入植地にある工場をネゲヴ砂漠の工業団地内に移転することも考えているようですが、仮に移転を実行したとしても、次のような問題が残る限り、ソーダストリームは占領加担商品、人権侵害商品であり続けます。

・現在、入植地内の工場で働いているパレスチナ人労働者に対する補償や再就職支援が行われるのかという問題
・新しい工場で雇用するネゲブ砂漠のパレスチナ遊牧民の労働環境や人権が守られるのかという問題
・ネゲブ砂漠の工業団地もまた、パレスチナ遊牧民に対する強制移住(非遊牧民化)政策の一環として設置されているという問題
・「入植地の工場は民族共生に貢献している」というプロパガンダを撒き散らしてきたことに象徴される、会社そのものの抱える植民地主義イデオロギー

いずれにせよ、イスラエルの入植地ビジネスの「成功モデル」であったソーダストリーム社が、今、パレスチナ人に対する民族浄化政策に加担してきたことの「つけ」を払わされつつあることは間違いないようです。そうしたなか、アジア最大のマーケットである日本は、同社のサバイバルにとって最後の頼みの綱ともいえるものです。日本におけるソーダストリーム・ボイコットを広げることで、占領とアパルトヘイトを恒久化する違法な入植地ビジネスにとどめを刺しましょう!


【関連記事】
BDS運動が前進:ソーダストリーム社、表参道での「ソーダ専門店」出店を断念!
ボイコット運動の拡大とソーダストリームの業績悪化
New SodaStream factory could help destroy Bedouin agriculture (The Electronic Intifada, Feb 20, 2014)
SodaStream in spat over working hours for Bedouin women (Haaretz, Sep 12, 2014)

【参考記事】
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規

【お薦め動画】
パレスチナからのメッセージ:ソーダストリームを買わないで下さい。
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか? ―パレスチナ人にとっての入植地(その2)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(その3)
なぜソーダストリームを買ってはいけないのか?(エドワード・サイード編)